俳優・役者(演劇・舞台)で食べていける難しさを考察。劇団?プロダクション?どの道が良いのか?

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俳優・役者(演劇・舞台)で食べていける難しさを考察。劇団?プロダクション?どの道が良いのか? 劇団・演劇・芝居・役者
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はじめに。

シリーズで6回に渡りお送りした、「芝居・役者・舞台の魅力と苦悩~僕の演劇人生、劇団日記」ですが(※参考記事⇒芝居・役者・舞台の魅力と苦悩~僕の演劇人生、劇団日記~その①【旗揚げ】)、

筆者の経験上、もしタイムマシンで戻れるなら、ああすれば良かったと思うことが多々あります。

もちろん芸能の世界なんて、「運」も必要だし、何が起こるか解らないのが人生。

なので、これと言った答えなんてもちろん提示できないし、責任も持てないですが、

約15年にも渡って「芸の道で食べていく」と言う事を考えて来た筆者の考察を、記しておきたい。

結局大成しなかったけれど、これから役者を目指す人達にとって、

自分の経験を無駄にせず、少しでも役立つヒントにして欲しいと思い執筆に至りました。

あくまで、「筆者はこうだったよ」と言う一例に過ぎないかもしれませんが、参考にして頂ければ幸いです。

結論から言うと、食って行くには、「mass(マス)」をやはり狙って行くしかありません。

詳しく見て行きましょう。

そもそも役者で食って行きたいのか?楽しけりゃそれでいいのか?

この掲題が、めちゃくちゃ大事だと思います。

意外と、ハッキリしていない人が多いんじゃないでしょうか・・・。

自分の胸に聞いてみる。

なんとなぁく、「役者で食っていけたらラッキーだなー」と思うことは、別に悪いことではないけれど、

いずれ年齢を重ね、「続けるのか?辞めて就職するのか?」と、

決断しなければいけない時が来ます。

そのためにも、最終的に「良く考えておけば良かったな」と後悔しないためにも、この思考は大事だと思います。

(※ただし、家が大富豪や資産家で、もしくは彼女や嫁がそれで、または既に別の事業などで成功し、金銭的にも生活的にも余裕がある人は該当しません!

もちろんそんな人は、後からどうにでも食っていけると思う人は、どうぞご自由に生きて下さい!)

周りの環境はどうなのか?「食っていきたい」人たちなのか?

自分がどうかももちろん大事ですが、周りの環境も少なからず影響を受けるので、重要です。

個人でやっているのならあまり関係ないですが、例えば「劇団」に所属していたら、その劇団の主宰やメンバーが、一緒に「いつか食って行けるように」と考えているのか。

それとも「それは人それぞれで、特に関係ない。楽しく自分たちが表現できたらそれで良い」なのか。

もちろん、後者でもそれがたまたま世に受け入れられて食っていける様になることはゼロではありませんが、そんなラッキーパンチを狙うのは危険です。

せめて、集団として同じ目標に向かって燃焼して、努力できる環境は必要でしょう。

また、プロダクションに所属していたとしても、そのプロダクションが所属俳優を本当に大切に考えてくれているのかどうか、見極める必要があります。

最近は、小栗旬さんなんかが頑張っていて、役者の地位向上のために改革を進めています。

ですが、やはりまだまただ現状は、「プロダクションに所属」=「食べていける」とはなっていないのが現状です。

プロダクションサイドは、タレントや役者は沢山いるので、鵜飼の鵜匠的存在。

タレントや役者は「鵜」で、仕事をしても搾取され、鵜匠の方からすれば、鵜は沢山数が居るので搾取した取り分を集めれば成り立っている・・・という現状は否めないでしょう。

自分のやりたいことを追求。楽しけりゃそれでいい人は?

先に、「別に食べていけなくても良い」と思っている人について語っておきましょう。

どうぞご自由に。

まぁ、語るまでも無いですが、そんな人は、「どうぞご自由に」です。

もし、たまたま何かが当たって、massに呑み込まれそうになったら、

断ればいいだけの話で、また自分の表現方法に戻り、好きなように活動していけば良い話ですからね。

それでも経済的問題は襲ってきますよ。

とは言え先に挙げた「余裕のある人」でない限り、「好きな事、楽しい事を続ける」ってのは、意外と難しいです。

やはり人間、何をやっていても腹は減るし、家賃はかかるし、歳は取っていって、体は動かなくなってくると言うのが自然の摂理です。

やりたい事のために「結局人生のほとんどの時間がバイト三昧」と言う状態は良く聞く話です。

そのバイトも、歳を取れば取るほど、結局難しくなってくるので、注意は必要です。

では、芸事で食べて行きたい人はどうすれば良いのか?

それではいよいよ、本題です。

自分の活動がmassなのか、またはそれに繋がっているのか?

例えば、筆者が歩んできた人生の様に「劇団で活動していく」と言う選択肢があります。

しかし、それ自体で食って行くには動員をどんどん増やして、解りやすい話で言うと「劇団☆新感線」を目指さなければなりません。

新感線ですら、十数年ギャラが出なかったのですから(※参考記事⇒「演劇プロデューサーという仕事」著・細川展裕 レビュー!)、

相当な努力、人脈、時間が必要なので覚悟が要ります。

また筆者が目指していた所で言うと、「劇団の公演」あくまで表現の場として捉え、

具体的にはお客さんに、テレビ局のスタッフやプロダクション関係者を呼んで興味を持って貰い、

massな世界へとつなげることを前提に活動することが必要です。

劇団がプロダクション化して機能している所もありますが、

多くは、劇団に所属している人がメディアで活躍していても、

プロダクションに劇団とは別所属していて、そこでメディアの仕事をしている役者さんたちは多いです。

良かったら調べて見て下さい。

他人を巻き込む。

そう考えると、もし自分の容姿に自信が有ったり、一芸に秀でていて、それに自信があるのであれば、やはり優良なプロダクションに所属するのが一番だと考えます。

劇団はそれ自体がギャラが出ない所か、持ち出し・・・すなわち出費が嵩むので大変です。

「劇団」にこだわらないのであれば、massへのコネクションがあるプロダクションに所属できるのが一番良いと思います。

もちろん「優良な」という条件は必須ですが・・・。

と言うのも、ただただ所属させられていて、オーディションの話すら、ろくに振って貰えず、「飼い殺し状態」になって苦しんでいる仲間も沢山見てきました。

そうなると、努力したり、あがくことも出来ないので時間を無駄にしてしまうので難しい所です。

シリーズの記事で記しましたが、筆者は、劇団活動と共にプロダクションのオーディションを受けたりしてましたが、ぜんぜん合格せず・・・。

結果、劇団を見に来てくれた局のディレクターに引っ張てもらい、massへの道を掴んだと言う経験があります。

なので、並行して頑張れる環境があるのならば、それが一番ですが、

プロダクションと劇団が別の組織である場合、スケジュール的にバッティングして、もめることも多々あるので難しい所です。

まぁ、とにかくメディアに出て、ギャラの貰える仕事もしていかないと、バイト三昧になって結局続かないんですよね。

そうするには、以下で説明する「個人で発信していく」以外は、やはりまだまだ、コネクションや閉ざされて芸能の世界ですから、プロダクション等の組織の力は必要だと思います。

個人で表現活動をし、massを目指す(Youtuberなど)

そしてこの令和の時代は、今までと世界が変わりましたので、

「個人で表現してmassを目指す」と言うのは、一つの大きな選択肢になりました。

音楽でも、喋りでも、演技でもなんでも、インターネットに気軽にアップして表現できる時代です。

ツイッターに自作の漫画をアップしてヒットする時代が来るなんて、10年前には想像すらしませんでしたよね・・・。

ただ、当たり前ですけど、その分野でmassを掴んで食べてくには、そうとうの努力・・・もしくは、宝くじを当てる位のラッキーパンチが必要です。

人気Youtuberで、毎日動画を投稿している人なんてザラにいますが、一度、「毎日投稿」を1ヵ月でも続けて見て下さい・・・。

いざやってみたら、めちゃくちゃ大変ですからね・・・思ってた以上に・・・。

結局、どんな世界でもなかなか楽して成功する道なんて無いんだなと、通感させられるはずです。

(実際、このブログですら、「毎日投稿」なんていざやってみたら、意外とめちゃくちゃ大変でした・・・。ぶっちゃけもっと出来ると思ってましたw)

他のジャンルで、別の切り口から攻めてみる。

例えば、「役者」に関してですが、今、メディアで活躍されている方々で、元々役者じゃなかった人がどれだけいるか、考えて見て下さい。

特に、元ミュージシャンや、元お笑い芸人、元モデルetc・・・の方々は、めちゃくちゃ多いですよね。

実際、邪道かもしれませんが、最終的に役者を目指すためにお笑い芸人から始める人って結構います。

これ、誤解を恐れずに言うなら、「役者の評価」ってわかりにくい部分が多いんですよ・・・。

「あれは脚本が良かっただけだ」、「たまたまハマリ役だっただけだ」、「スタッフワークに恵まれた」とか、

役者って、基本的には集団の中でする表現なんで・・・。

もちろん確実に「実力のある役者」ってのは存在するんですが、いかんせんその点、

実力が解りにくい、言い換えれば才能があるのか無いのかが、バレにくい世界なんですね。

その点、漫才なんてマイク一本でするわけですから、

「面白い」か「面白くない」か、非常に解りやすいので、M-1グランプリで優勝すれば、一夜にしてスターに・・・、ってこともあるわけです。

それこそ、劇団に比べ、漫才師なんて非常にコストパフォーマンスに優れていて、公園でも稽古が出来ます。

劇団なんて稽古にも会議室借りて、スタッフ呼んでその分の人件費払って・・・と大変です。

いや、ここで言いたいのはもちろん「漫才師」がチョロい世界とか、簡単とか言ってるんじゃないですよ!

今の時代、逆に言うと毎年の様にコンテストでスターが生まれるわけですから、お笑いの世界の生き残るなんてそれこそ、大変だと思います。

そこだけは誤解無く!

あくまで一部分を対比した場合の考察ですんで!

おまけとして「教えることを生業とする」。

これは、オマケとしてですが、「教えることを生業とする」道があります。

具体的に言うと、今は芸術系の大学も増えましたから、

そこの講師や教授を目指したり、養成所やプロダクションの先生や講師をすると言う道です。

もちろん、それなりに実績は必要ですし、何よりもそれに至るコネクションが必要にはなって来ますが・・・。

ただ、そんな「教える事を生業にしている人たち」は、往々にして、

教えることを生業」にするまで、その世界だけで食っていけてた人達ばかりかと言おうと・・・、

答えはNOです。

(もちろん全員ではないですよ!大活躍している一線の人たちが教えている機関も沢山あります。)

実際、養成機関などの先生を見て、「え?誰?」って思う人が多いこともあるでしょう。

筆者自身、芸術系の大学で学んできましたが、

その時の教授が「教授の職について、初めて食べて行けるようになった」と、

授業で公言していましたからね・・・。

自分がその世界で食ってもイケていないのに、生業のために他人に偉そうに教える立場になる・・・。

そんな道は人によっては「邪道」と、捉える場合もあるでしょう。

実際、「先生だけにはならない!」と強く信念をもっている知人も居ました。

ただ、大好きな芸の世界に触れながら、お金を貰える貴重な手段である事には変わり有りません。

実際、養成所の先生をして、そこで生活費を稼ぎながら、自分たちは赤字続きの劇団活動をしている知人は居ます。

食べてはいけなくとも、地道な活動や、「賞」を取ったりすると、この道が開けることが多い様です。

劇団で言うと、観客の動員が少なく、赤字で食べていけていなくても、

「演劇」や「ワークショップ」などは、コミュニケーションのツールとして今、注目されていますから、

行政や公共ホールの企画の講師などに呼ばれ続けて、食いつないでいる知人などもいます。

まとめ。

いかがだったでしょうか。

簡潔にまとめると、例えば役者で食って行くには、筆者の考える所・・・、

先ず、優良なプロダクションに所属すること。

それが無理なら、個人で表現していくか、時間がかかるの覚悟を承知で、劇団でmassを狙いながら頑張る。

それじゃなければ、他ジャンルで攻めることも考える・・・。

ですかね。

少しでも参考にして頂ければ幸いです。



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